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空海「即身成仏義」読書ノート(8)「成仏」について

⑦「成仏」の偈頌 即身成仏の偈頌は、これまで見たように前半四句によって「即身」を讃えています。そして続く後半四句は「成仏」を讃える詩文として、その様相を顕わにします。 (第五句)法然に薩般若を具足して「法然」はあるがままの自然を、「薩般若」...
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空海「即身成仏義」読書ノート(7)「重重帝網」と即身の「身」について

➅「重重帝網」と即身の「身」「帝網(たいもう)」: 主として華厳経で語られる帝釈天の宮殿を覆う網を用いた譬喩表現。別名「因陀羅網(いんだらもう)」。網目の一つひとつに宝珠(宝石)が結ばれ、それらの宝珠は互いに互いの姿を映し合い、その輝きは無...
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空海「即身成仏義」読書ノート(6)「三密加持」について(下)

❹曼荼羅阿闍梨の導きと「三密加持」の修養、そして「即身成仏」へ 「内証自覚聖智(ないしょうじかくしょうち)」: 自受用身。大日如来が自ら楽しむ究極の悟りの境地。 「他受用身の智」: その悟りを他者(金剛薩埵など)に伝えるための知恵。 これら...
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空海「即身成仏義」読書ノート(5)「三密加持」について(上)

⑤「三密加持」について 宇宙のすべてを構成する「六大」という物理的・精神的要素は、「四曼」という属性を通じて無限の曼荼羅、「三密」という宇宙の活動と重なり溶け合って、この世界に表現されています。そして、私たち一人ひとりもまたこの宇宙の一つの...
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空海「即身成仏義」読書ノート(4)「四種曼茶」について

④「四種曼茶」について「曼荼羅」は一般的には、悟りの世界観や仏の教えを体系化し図示したものとされています。空海はここで、悟りの現れや宇宙の総体、その様相としての「曼荼羅」を四種の視座から捉え、「即身」の「相」についての教えを説きます。❶大曼...
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空海「即身成仏義」読書ノート(3)「六大」について

③・❶ 「六大」について「即身成仏義」では、物質的要素としての「五大(地・水・火・風・空」に心的要素としての『識』を合わせて「六大」と呼びます。 宇宙(あらゆる存在を包含する本尊としての大日如来)においては、これらの要素がバラバラにあるので...
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空海「即身成仏義」読書ノート(2)即身成仏の偈頌

②即身成仏の偈頌(げじゅ)「偈頌」は、詩文を意味します。「即身成仏義」の核心としてここに引用します。  ⑴六大無礙にして常に瑜伽なり 体  ⑵四種曼茶各離れず 相  ⑶三密加持して速疾に顕わる 用  ⑷重重帝網なるを即身と名づく 無礙  ⑸...
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空海「即身成仏義」読書ノート(1)

【参照テクスト】「即身成仏義」頼富本宏訳注(『空海コレクション2』ちくま学芸文庫、2004年)【推定成立時期】 弘仁8年(817年)〜弘仁10年(819年)頃 空海が高野山を下賜された四十代の頃に執筆されたと推定されています。同時期に同じく...
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ニーチェ『道徳の系譜』ノート(3)後世への影響

【ニーチェ哲学の後世への影響】〇ミシェル・フーコーをはじめとするポスト構造主義ニーチェ的な「系譜学」の手法は、真理や権力を歴史的・政治的な文脈で解体する現代思想の標準的な道具となりました。〇シグムンド・フロイトの精神分析学「本能の内面化」や...
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スピノザ『エチカ』読書ノート(2)

【ノート】第1部 神について《定義:実体、属性、様態の定義と、唯一の実体としての神の証明》定義1、自己原因:他の何ものにも頼ることなくそれ自体(を原因)として存在しているもの。存在自体に存在原因が含まれているもの。存在すること自体がその本質...